コミュ障中年女ですが、いつのまにか管理職になってました。
私はるこ。極度のコミュ障でお豆腐メンタルな中年女。電話がくると腕が震えて手が冷たくなるし、会話の内容を準備しないと何を言っていいか分からない。あ、もちろん、普通にドモるし、会話が続かなくて焦ってしまうこともしょっちゅう。
ニンゲンよりも文鳥と心が通じ合ってる気がする……。
そんな私が、まさかの管理職に!?
しかも、みんな超優秀で、私がやらなきゃいけないことなんて、正直ほとんどない気がする。気づいたら、メンバーさんたちが完璧に仕事を回しているし、私はなにをしたらいいか分からなくて困惑中……。
というわけで、これまでの記録と、どうしたら少しでもマシな上司になれるかを備忘録として残すことにしたよ。いつか、役に立つ日が来るかもしれないしね。
と、ちょっと砕けた雰囲気ではじめてみました。こんにちは。
なんとびっくり、いつのまにか現職に入社し丸4年のときが経っていました。
なぜ管理職になったのかというと?
「シングルマザーで時間もないし、ごにょごにょ」とうだうだしていたら、普段は飄々とした雰囲気の上司が真顔で「だったらやった方がいいでしょ〜」というので「やってみるかー」と(単純)
管理職と聞くとかっこいい響きですが、わたしのチームは女性6人。とってもコンパクト。みなさんデキる専門職の方々でして、世のイメージとくらべると随分恵まれていると思います。
もくじ
うちの部門ってどんな立ち位置でどんな優位性があるんだろう
いざ管理職になってみたものの、肩書きがついただけ……正直何をしたらいいかわかりませんでした。
ある職能をもったメンバー(デザイナー)が集まっている部門はここのみなのである意味特殊ですが、代替可能な機能でもあります。
部門づくりがプロジェクトだと考えると、まずはコンセプトを考えてミッションを立てたいな。自社の中でどのような立ち位置の部門なのかを遊びを持たせた状態で定めることにしました(ポジショニング)。
部門内での信頼関係・心理的安全性の醸成(?)について考える
未来を考える時間をつくるため、まずは権限の譲渡から行うことに。
コミュニケーションが阻害されると、チーム戦はうまくいかないですよね。ある程度の肩書きがついた人が現場に出すぎると圧をかけるだけでいいことないですし、現場は現場同士でフランクにやったほうが風通しがいいはず!
というわけでメンバーの皆さんに裁量を渡そうとしています。
とはいえ、手を離すタイミングが遅いタイプだと自認しているので、どこまでセーフティネットとして機能して、どこで離すかについて真剣に考えました。
「子育て四訓」というアメリカ先住民の言い伝えがあります。
- ➀乳児はしっかり肌を離すな
- ②幼児は肌を離せ、手を離すな
- ③少年は手を離せ、目を離すな
- ④青年は目を離せ、心を離すな
プロフェッショナルなメンバーですので、ニンゲンとしては④の状態ですが中途で入ってきた人たちが軌道に乗るまでにもある程度の流れがあると考えています。
まずは信頼感を醸成
手を繋いだ状態でひとり立ち
手は離すけど目は離さない(こちらから拾ってすぐ相談にのれるようにする)
目も離すけど、いざという時頼っていい人だって思ってもらえるように振るまう(心を離すな)
ってことかなと解釈しました。
ちなみに、わたし自身は自分で調べ、自分で考えてなんとかすることが基本です。
ただ前職時代に、わからないことを質問すると丁寧に教えてくださる上司と出逢い「あ、なんかこういうのいいな」「自分もこうやって育てられたかった〜」と思ったので、考えを変えました。
次に、よくわかっていないけど遠慮して聞けない空気や、その場にいるだけで消耗するような空気をつくらないように決めました。プライドや、自分の能力を低く見られる=生命の危機だと感じる方もいらっしゃるんだろうなあと思い、率先して自分が質問するようにしました。
猫がお腹を出して転がっているようなイメージです。
わたしの腹は見せた、さあ、おぬしらも腹をみせるのじゃ。
怖くないよ!
また、それぞれのメンバーに「◯◯なら△△さん」という強みをもっていただけるように、業務をわけました。なんでもできるはなんでもできない(つまり相談されづらい)ので、「コレ」という印象をつけたかったのです。
プル式営業な部門だから社内ブランディングも大事だよ〜!
気分は「ドラえもん のび太の日本誕生」。
みんなが◯◯大臣になったらいいよね〜。
そんなこんなでちょっとずつ土台をつくりました。
在りたい姿
わたしの在りたい上長の姿は「メンバーが困っていたら、なるはやで障害を取り除き、120%の実力を出してもらえるようにする」ことだったりします。
わたし個人としては、いつまでもワクワクしていたいので、自分自身も走っていたいなと思います。
遠い昔MMORPGをしていた頃、選ぶ職業といえばバッファー(付与系)かテイマー(モンスターと仲良くなって戦ってもらうよ)。ですがコミュ障故に一緒に狩にいく仲間がいません。
ひとりでなんとかするために攻撃手段を欲しがるので、器用貧乏なキャラクター設計になっていたことを思い出します……。
気質なんでしょうね。
土台ができて軌道に乗るとたいくつ
ある程度しくみが軌道にのってくると、取り除く障害もなくなってくるので、たいくつモードに入りました。
仕事って「納期の決まっている依頼」と「未来のための種まき」の2種類あるとおもいますが、「納期の決まっている依頼」を私がとっちゃうのも違うと思いますし、「納期の決まっている依頼」のチャレンジ案件はメンバーさんに回したい。
「未来のための種まき」は本部の動き・会社の動きに追従することになるので、現時点でできること・できないこと・方向性の合致していること・方向性にそぐわないことがありますよね。その判断軸ですと、上期は待機しておいた方が良い雰囲気をかもしていました。
クロージングできる大人になれたらカッコいいから、営業部に転属してみようかな……でも未経験(しかもコミュ障)の中年女性なんて使いづらいよねーというか適性ないなwww なんて本気で考えてました(テヘペロ)。
既存ルールの破壊および新ルールの策定、そして評価制度の明文化
ふと、リーダー時につくった依頼ルールが現状にそぐわないんだよなーと思い作り替えることにしまた。他部署に展開していたルールのため影響範囲が大きいのですが、課題が発生するたびに継ぎ足していった結果、ものすごーく煩雑になっていたんです。
ルールはシンプルじゃないと覚えてられないので「いかのおすし」くらいのシンプルさを目指しました。また、自部門・他部門にとってメリットがあるように各部署のメンバーにヒアリングしてバランスをとることにしました。
また、責任範囲が不明瞭なため起きている問題が散見されたため、自部署・他部署の責任範囲を明文化しました。自分たちが頑張るべきところ、やらかしたら責任をとるところがわかるようになったことで、迷いが減ったんじゃないかなと思います。
ついでに、どういう方向を目指すことで評価されるのかキャリアの参考になるように、部門内の評価制度を明文化することにしました。具体的には会社の評価基準を自部門の場合どう解釈するかを言語化。また、個人目標の軸になる項目を、実行できる粒度のタスクに分解しました。
よき設定ができれば、あとは勝手にキャラクターが動いて勝手に物語も進みます。
障害を取り除いたあとは、メンバーさんに自走してもらえたら一番ハッピーだよねー。
新ルールの導入、いい感じな気がしてるよ
良い変化であれ、変化はストレスを伴うものです。
「明日の百より今日の五十」という言葉があります。
あてにならないものに期待するより、たとえ少なくても確実なものの方がよいということ。末の百両より今の五十両。聞いた百文より見た一文。
もっとよくなるよ! と期待を持たせても、現状のままが良いと感じる方も多いと思います。プロジェクトを進める上で、そのギャップをどう埋めていくか? が課題だと考えました。
各所ヒアリング(聞き取り)の結果、共通の不安が見えてきたので、仮運用(フェーズ1)、本運用(フェーズ2)のように移行期間をもうけ、方針の説明、他部門アンケート、自部門アンケートをとりながら、ルールを柔軟に調整するつもりで始めました。青写真通りにいかないことも多いですし、うまくいかなかった時はどのように挽回するのか? もふまえて事前に説明しました。
自部門のアンケート結果は好評でした。
また、目的を明らかにし、目的を実現するための良いアイデアがあればどんどん採用すると伝えました。
結果、メンバーさんから自発的に改善案をだしてもらえるようになり良かったと考えてます。
他部門のアンケート結果は、事前に予想された通りの課題があがっていましたが、この課題はルールが軌道に乗れば解消されると信じていたので、「解消されるまでご迷惑をおかけします! このように考えてます! ご協力お願いいたします!」と、お気持ちを伝えるにとどめました。
導入3ヶ月時点では、ある程度解消されてきたと考えてます。
結果については改めてアンケートを取ってみた方がいいなー。
また、制度を変更するにあたり他部門にメリットを持たせようと考えた仕組みについては、100%といっていい程ご満足いただけたようで嬉しかったです。
PTA本部(副会長)をやったとき、多種多様な背景を持つ方がいる環境で「三方よし」(Win-Win-Win)を目指すことは難しい。すべての不便を解消することはできないのだと実体験として知ることができました。
であればどこに注力して、どこを改善していくか明確にし、ここは飲んでもらったけど、ここは良くなったよ! こっちの方が不満度高かったでしょう? 総合的にみてハッピーになったかな!? という感じで改善していくことが良いなと思ってます。
管理職としての課題は確信のなさ
みんな、どんどん活躍していいんだよ?
マイクロマネジメントしたいタイプでもないので、方向性とルールを示したら、あとは自由にいいかんじに目標を達成(活躍)してくれたらハッピー。更に目標達成がメンバーのみなさんの自己実現に繋がったらいいよねー。なんてことを考えてます。
浅薄な考えかもしれないし、現実そんなに甘くないのかもしれません。評価するのは私ではなく、メンバーや上長、会社です。すご腕な方や生まれ持ったリーダー気質の持ち主だったらどうするんだろうなぁ……と答えの出ない妄想をすることがありますが、みかんはリンゴになれないので、自分なりの最善を考えていきたいです。
自分の世代との違いをどう処理するか
わたしは氷河期世代の中年女性です。
「お前らの代わりはたくさんいる。背中を見てくらいつけ、盗め、ダメならやめろ」みたいなカルチャー下では最弱お豆腐メンタルの持ち主だったはずですが、生存者バイアスがかかってしまったのでしょうか。「意外と打たれ強いの私?」みたいな疑問がでています。
遠慮して言うべきことを伝えられないのは本末転倒ですが、人を傷つける言葉を選ぶ必要もないので、「果たしてわたしの感覚はマッチしているのか?」と常に自問自答しています。
コミュ障に人と関わる仕事は難しいけど、苦手なことって一生のテーマなんだと思います。いろんな人と関わることで、こういうモノの見方があるのか、こういう解釈があるのか、と日々新鮮です。
おわりに:スーパーウーマン以外の社会進出
ハイスペックな女性がバリバリ働き、仕事と育児・家庭を両立している……というお話は絵空事のように見えてしまうと思います。
わたしは、普通以下の中年女性です。
- 数年単位で不登校→高卒認定→専門学校卒
- コンビニの店員さん以外と話さない期間が2年
- 青春どこ? 夏休みは古本屋で小説を買い漁って引きこもる
- ブラック企業に就職。仕事は楽しかった。
- 結婚したけどうまくいきませんでした。(娘は超可愛いです)
ハイスペでなくとも、ほっとできる環境とすばらしい仲間たちに恵まれると、管理職になれちゃうんですね!
とはいえ管理職になりたいかは、個人のありたい姿によると思います。
わたしの場合「お金が足りない」ことがモチベになっていたので、2馬力になり「そこまで頑張らないでも良いのでは?」なんて考えが脳裏にちらつきました。
それでも続けているのは、「裁量があるほうが性に合っているから」。
子どもの頃の夢は作家だったので、どこまでいっても個人主義でコミュ障なんだと思います……。
キャリアに迷えるときは……
人間関係や風土(カルチャーフィット)・金銭面以外の理由で、会社を辞めるのは「その会社でできることがなくなったとき」(つまり成長限界が来た/まったく別業種の仕事がしたい)だと思います。
とはいえ、嫌なことが重なったり、しんどいことが重なると揺らぐこともありますよね。
そんなときは
この裁量でできることを果たしてやりつくした? やり尽くしていないなら、他の場所にいっても結局同じことをくり返す。環境に慣れるまでの期間や人間関係を構築しなおす時間はパフォーマンスを発揮しづらいんだから、燻る期間が増えるだけだよ。大丈夫?
と自問自答することにしてます。
(メンタルを壊すくらいなら、逃げることも良い選択だと思いますよ)
チャレンジしないと得られる確率は0%
チャレンジしてうまくいかなくとも、諦めず粘り強く続けていれば経験値が貯まる。
いつか成功するときがきたり、別の方向で才覚が目覚めたり、自分らしくあれる場所を見つけられる日がくるんじゃないかなと思ってます。
というわけで、少しでもやってみたいことがあるならチャレンジした方がいいと思います! やって後悔することより、やらなくて後悔することの方が多いですし、チャンスの神様は前髪しかないからねぇ。
おしまい。次は来年かな……???
Web業界の片隅に生息しているマダムです。肩書きは特にありませんが、コアスキルはデザイン。(当ブログでの発信内容は、個人の見解であり、所属組織とは一切の関係がございません)